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平成29年度しぐれ歌会ベスト20作品

第1位   
全て打ち明けたい日の雨が優しい音符の音で降る  
 (16点)            黒沢きみ子 

第2位   
一抜け二が抜け三四も抜けて話はなかったことになる 
 (14点)            鈴木秋霖

第3位
納品済ませた夕焼け空に叩く軍手の春埃    
 (13点)            鈴木秋霖

第4位
時代がひとおつ終わったようないい人煙になっちまう  
 (13点)             嶋本遊幾

第5位
なかなか心が掴めぬ酒へつるんと逃げてく衣かつぎ  
 (13点)             佐藤孔亮

第6位 
鈍感力さえ味方につけて女を図太く生きてみる  
 (12点)             黒沢きみ子

第7位  
幸福だったと勝手に思う妻の遺影はいい笑顔      
 (11点)              阿部 勲      

第8位  
みんな取り越し苦労で済んだ御礼参りの鈴の音     
 (11点)              末松章子

第9位  
熨斗のかかった一升瓶も並んで観ている里神楽 
 (11点)             稲葉建正

第10位 
望んだ道ではなかったけれどこれでよかったこれがいい       
 (10点)             大島歌織

第11位 
もみじマークを返しに行った父に一本つけておく   
 (9点)              末松章子

第12位 
こぼした涙も笑った皺も全部重ねる屋根の下   
 (9点)              嶋本遊幾

第12位 
小便小僧の放物線をちょっと揺らして若葉風    
 (9点)              小野桂之介

第14位 
高座のリズムがトトンと寄せてボクは長屋に運ばれる 
 (9点)              阿部 勲

第15位 
抜いちゃいけない刀を持って敵に今夜も逢いに行く    
 (9点)              佐藤孔亮

第16位
地蔵の手の平居心地よくて小鳥もこぼれ陽浴びている       
 (9点)              稲葉建正

第17位 
季節の移りへ衣装を替えて山は豪華な衣装持ち      
 (9点)              阿部 勲

第18位 
時々意見もぶつかりながら夫婦の歴史が厚くなる    
 (8点)              鈴木秋霖

第19位 
真っ直ぐ引かれた感情線はその先あなたに伸びている
 (8点)              小川野蛙

第20位 
訛も乗っけたローカル線のぬるい車内が心地良い     
 (7点)              長谷川宗太郎

第21位
母をちんまり上座に据えて長寿が長寿を祝う席
 (7点)              鈴木秋霖

第22位
九条読む隙ないやつだから平和の布団がしめっぽい
 (7点)              稲葉建正


第23位
落ち葉ころがる季節となって障子貼る日の日を選ぶ
 (7点)              鈴木秋霖

第24位
母の手紙は広告ウラの細く震えたありがとう
(7点)               西山智華

第25位
目を閉じ耳閉じ避けたい話酒は細めに流す咽
(7点)               鈴木秋霖

『ベストテン歌選考について』
 平成29年度しぐれ歌会ベストテンは、同人9人と吟社より依頼した11人の計120人による合点で行われました。各月歌会の三才作品に誌上大会を加えた165章から、三才、五客、七秀を選んで頂き、2月2日に義之助宅で孔亮、陽子が集計しました。黒沢きみ子さんの第1位は初めての受賞です。おめでとうございます。(孔) (「しぐれ誌」第732集より)  
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平成28年度しぐれ歌会ベスト20作品

第1位   
あのころ道路は遊び場だった夕日がご飯と呼びに来た  
 (20点)            阿部 勲 

第2位   
今夜は一人で飲む日と決めて妻の命日花を買う 
 (15点)            志村まさ尋

第3位
運転台まで春の陽乗せて都電がまどろむ音でくる    
 (15点)            稲葉建正

第4位
門限ぎりぎり起きてた父のパジャマが安心して消える  
 (14点)             鈴木秋霖

第5位
上座も下座もない卓袱台に親父の居場所にいた親父  
 (13点)             鈴木秋霖

第6位 
家族みんなに満点貰い父は天寿を燃え尽きる  
 (12点)             安藤紀楽

第7位  
今日をいい日にしてくれそうな木の実弾けた音で降る      
 (12点)              黒沢きみ子

第8位  
心の港にあなたを泊めて夢の波間に寝つかせる     
 (10点)              西山智華

第9位  
的を外れたかわらけ一つ春の琵琶湖を春にする 
 (10点)             佐藤孔亮

第10位 
だましだましの人生だから痛いところは貼り薬       
 (10点)             米多吉吾郎


第11位 
地球をぐるりとまわった風に吹かれ揺れてる肩車   
 (9点)              西谷笑子

第12位 
ただいま返事のない寂しさはお帰り自分でする返事   
 (8点)              鈴木秋霖

第13位 
悪気がなかったそのひと言が悪気がないから突き刺さる    
 (8点)              阿部 勲

第14位 
ロボット任せの企業の裏で汗吹く鍛冶屋の音がある 
 (8点)              稲葉建正

第15位 
窓の向こうを横切る風も景色もあなたとはんぶんこ    
 (8点)              西谷笑子

第16位
飲んで歌って笑って泣いてここにあなたがいればいい       
 (7点)              西山智華

第17位 
海はしょっぱく西瓜は甘く茣蓙を転がる昼寝の子      
 (7点)              末松章子

第17位 
みんな寂しいポケモンGOで誰かに会いたい人ばかり    
 (7点)              佐藤孔亮
第19位 
いつか翼が生えたら飛ぼう子等が見上げる広い空
 (7点)              落合正子

第20位 
悲しいくらいにきれいな空に染まってゆくよな白いシャツ     
 (7点)              大島歌織

第21位
叫びたいこと心に持って社内の吊革皆無口
 (7点)              安藤陽子

第22位
呆けた話のお互い様を笑って目尻を拭いている
 (7点)              末松章子

第23位
絹糸つむいだ冷たい雨へ今日も逢いたいひとがいる
 (7点)              西山智華
第23位
泣きやまない児に外ひと回り唄も夜風にやわらかい
(7点)               鈴木秋霖
第23位
寂しい気持が声聞きたくてごめんね用事もないのにね
(7点)               安藤陽子

『ベストテン歌選考について』
 平成28年度しぐれ歌会ベストテンは、同人8人と吟社より依頼した11人の計19人による合点で行われました。各月歌会の三才作品150章から、三才、五客、七秀を選んで頂き、1月31日に義之助宅で孔亮、陽子が集計しました。阿部勲さんの第1位は3年前の「駆け込む吉報息せき切ってサクラが茶の間で開花する」に続いて2回目です。おめでとうございます。(孔) (「しぐれ誌」第722集より)  

平成28年度しぐれ歌会ベスト20作品

第1位   
吊革握って溜め息ついて都会へ斜めになったまま  
 (18点)             嶋本遊幾 

第2位   
今日の行き先女房が決めて丸首シャツから顔を出す 
 (17点)              末松章子

第3位
元気になあれと一言添えてビタミンカラーの鶴を折る    
 (16点)              西谷笑子

第4位
逸れていいのさ脇道だってどこかへつながる先がある  
 (16点)              里中 弓

第5位
格好つけてる心の殻を一枚脱がせた聞き上手  
 (14点)              西山智華

第6位 
えんじ金色山脈燃えて目のなか手のなか秋がいる  
 (13点)              時生青紅

第7位  
追いかけ続けてとどかぬ夢をそれでもも少し追ってみる      
 (11点)               大島歌織

第8位  
スタンド灯すと机が笑う夜が親しい友になる     
 (11点)              阿部 勲

第9位  
顔をあげれば若葉が揺れてちいさな悩みは風の中 
 (10点)              嶋本遊幾

第10位 
形見の羽織は師匠の匂い待ってましたの声がくる       
 (10点)              鈴木秋霖


第11位 
洗濯日和の満艦飾は団地を活きてる顔にする   
 (9点)               鈴木秋霖

第12位 
僕の悩みを見て見ぬふりで空はあっけらかんと青   
 (9点)              阿部 勲

第13位 
脈あり脈なしどうでもよくて俺を生きてる俺でいい    
 (9点)               嶋本遊幾

第14位 
打てば響いて貧乏神と気の合うくらしが路地にある
 (9点)               稲葉建正

第15位 
庭の小菊を明るく生けて秋を茶の間の客にする    
 (8点)               西山智華

第16位
風と落ち葉がワルツを踊る故郷はここから冬の音       
 (8点)               西潟賢一郎

第17位 
拾った小犬にいい名がついて家族の笑顔を駆けまわる      
 (8点)               西山智華

第18位 
呼ばれた気がして振り向く顔に明るくぶつかる春の風    
 (8点)               鈴木秋霖

第19位 
春が小さなノックをくれる遍路に優しい鈴の音
 (7点)               中島和子

第20位 
どっちつかずの返事となってブランコ一際高く漕ぐ     
 (7点)               鈴木秋霖

第21位
一人暮らしの包丁始め太い大根真っ二つ
 (7点)               小野桂之介

第21位
転居届けの一コマごとに僕の暮らした四季がある
 (7点)               嶋本遊幾
第21位
お茶が入った天気になった秋の夫婦の言葉数
 (7点)               末松章子


『ベストテン歌選考について』
 平成27年度しぐれ歌会ベストテンは、同人9人と吟社より依頼した11人の計20人による合点で行われました。各月歌会の三才作品150章から、三才、五客、七秀を選んで頂き、2月1日に義之助宅で孔亮、陽子が集計にあたりました。嶋本遊幾さんの第1位は2回目ですが、4位に里中弓さん、6位に最近歌会に参加されたばかりの時生青紅さんの作品が入り、新しい風が吹いた感じがします。ご協力くださった皆さんありがとうございました。(孔) (「しぐれ誌」第712集より)  

平成26年度しぐれ歌会ベスト20作品

第1位   
眠った小若を古老の手から 母がゆめごと抱っこする  
21点              稲葉建正 
第2位   
寒いね暑いねああ美味しいね 誰かが隣にいてくれる 
20点              末松章子
第3位
途切れ途切れの神社の笛は 風が千切った春の音    
14点              阿部 勲
第4位
畔が区切った田んぼの水に 夏が四角く揺れている   
 12点             篠田みや
第5位
内緒ばなしももうつつ抜けの 春の空気のかるいこと  
11点              鈴木秋霖
第6位 
花咲く種などどっちも無くて 父も父たり子も子たり  
11点              吉住義之助
第6位  
祭り支える裏方さんが 誰より根っから祭り好き      
11点               葉山湘風
第8位  
百の名画に劣らぬような 窓が切り取る月ひとつ     
11点               砂花ことは
第9位  
ひとつ残ったかんぴょう巻きも 打ち明け話を聞いている 
11点               末松章子
第10位 
黙って聞くのも答えの一つ 日陰分け合う長話       
11点               大越幸人


第11位 
菜花の酢味噌が舌から染みて 体が内から春になる   
10点              吉福康郎
第12位 
風とひかりで磨いたような 坂から見下ろす夏の海    
10点              嶋本遊幾
第12位 
どうにも譲れぬ一言だった 今夜の手酌が深くなる    
10点              佐藤孔亮
第14位 
縦糸横糸織りまぜながら 想いがひとつになるふたり  
10点              黒沢きみ子
第15位 
虹の向こうの夢追いながら 今日は大事な人といる    
9点               黒沢きみ子
第16位
も少し誰かに見せたい浴衣 祭囃子を引き返す       
9点               末松章子
第17位 
恋の鍵穴やさしく開けて 夢に出てきてほしいひと      
8点                西山智華
第18位 
じゃまにならない笑顔を添えて 話し上手は聞き上手    
8点                鈴木秋霖
第19位 
夕陽に大きく輪を描くトンビ 明日もあなたに逢いたいな 
8点               州戸行々子
第20位 
塀の落書きくすんだままに 秋も終わりの陽が移る     
8点                鈴木秋霖  

『ベストテン歌選考について』
 平成26年度しぐれ歌会ベストテンの選考は例年通り、同人10人と吟社より依頼の12人の方々の、合わせて22人による合点で行われました。対象となる作品はしぐれ例会と11月の大会、ならびに誌上歌会の計11回の歌会の三才作品で、今回は165章に及びました。各選者にはその中から三才、五客、七秀を選んで頂き、1月末には結果を頂戴しました。2月3日に義之助宅で孔亮、陽子が集計にあたり、前頁の結果となりました。
 稲葉建正さんは22年度に続いて2回目の第1位です。上位にいつものお顔が並ぶ中で、第8位に砂花ことはさん、第10位に誌上大会ご参加の大越幸人さんが入り、新鮮な味を加えて下さいました。なお例年通り、1位には安閑坊さんよりご褒賞を頂きました。皆さんご協力ありがとうございました。(孔) (「しぐれ誌」第702集より)  

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