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しぐれ六月歌会三才作品

平成30年6月歌会6/22(金)東上野区民館3階和室

宿題 『露』 吉住義之助 選
天 
今年の一鉢団十郎に決めて薄むらさきの露
              末松章子
地 
虹の欠片を見かけた垣根も一度如雨露の首を振る
              後藤園生
人 
露天風呂から見る夕焼けが今日をいい日で締めくくる   
              嶋本遊幾

宿題 『悪』 西山智華 選
天 
コハゼ五枚目ぎりぎり締めて悪い女が出来上がる         
              佐藤孔亮
地 
手配写真は選んだらしいいかにもやったの顔にする        
              島田駱舟
人 
素敵な悪さを企むほどに君のえくぼが深くなる
              大島歌織

宿題 『怒』 西谷笑子 選
天 
次に逢う日の約束くれてふくれた頬っぺを黙らせる             
               西山智華
地 
無言で受け取る弁当箱の妻の怒りを食っている         
               末松章子
人 
怒り心頭おつむの湯気が少ない髪の毛立ち上げる          
               大橋仙太郎

宿題 『活』 萩原正臣 選
天 
利発活発子どもの頃の私を探した通信簿
               末松章子
地 
梅雨を押しのけ割り込む晴れ間団地活き活きシーツ舞う
               大橋仙太郎
人 
葉書き一枚次いでに野菜過疎の生活に郵便屋            
               桂  文生

席題 『富』 嶋本遊幾 選
天 
富も名誉も悩みも憂さも吸い込む今夜の大宇宙
               渡辺謙助
地 
コロッケ一つの食卓だけど愛は山盛りてんこ盛り
               相原あやめ
人 
二人の想いの一足す一が三にも四にもなる至福
                西山智華
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しぐれ五月歌会三才作品

平成30年5月歌会5/25(金)東上野区民館3階和室

宿題 『港』 末松章子 選
天 
離陸の瞬間空港消えて体をこころが抜けて行く
              篠田みや
地 
競りの金目がまるまる太り下田港に夏が来る
              小野桂之介
人 
ペットフードを食べない猫は港仕込みの舌を持つ    
              佐藤潤子

宿題 『事』 島田駱舟 選
天 
誤解曲解解かずにおこうだって事実はなお悪い         
              後藤園生
地 
砂が体にザラザラ落ちたあなたの訃報の長い記事        
              篠田みや
人 
後生大事にしたプライドを新入社員が鼻で吹く
              志村まさ尋

宿題 『爪』 黒沢きみ子 選
天 
露天の湯煙手招く旅の心とろかす差し向い             
               西山智華
地 
ふり向くあなたに笑顔が見えて小さな悩みが煙になる         
               稲葉建正
人 
地獄極楽別府の坂は上れば煙も立ち上る          
               佐藤孔亮

宿題 『所』 関口のぎり 選
天 
子らも混じって近所の掃除良い日始まる街の風
               大橋仙太郎
地 
こんな所に段差があってわたしをつまずき易くする
               森崎清三
人 
どこか返事も斜めになる日虫の居所置き処            
               鈴木秋霖

席題 『半』 鈴木秋霖 選
天 
半分以上はいつもの愚痴でお袋まずまず元気そう
               末松章子
地 
花も盛りの景色となって初夏へ半襟掛け替える
               西山智華
人 
中途半端な半生だった中途半端に振り返る
               葉山湘風

平成30年4月しぐれ三才作品

平成30年4月歌会4/27(金)東上野区民館3階和室

宿題 『猫』 落合正子 選
天 
それでもタンポポそれでもスミレ猫の額の庭に咲く
              佐藤孔亮
地 
何があったかわかったらしい猫が黙って膝に乗る
              篠田みや
人 
タマも恋には一兵卒で傷の勲章下げてくる    
              稲葉建正

宿題 『図』 小野竹裏 選
天 
地図に消したい国境線があって二人が握手する         
              佐藤孔亮
地 
愚図な桜もたまにはあってズレてほのぼの咲いている        
              相原あやめ
人 
指図も合図も要らない仲になって茶の間にある阿吽
              阿部 勲

宿題 『爪』 志村まさ尋 選
天 
愚痴も小言も背中で受けて爪をいびつに切りおわる             
               鈴木秋霖
地 
何も無い日の何にもなさへ爪は黙ってのびている         
               阿部 勲
人 
爪先立ちでも届かぬ棚へ薄めの内緒をそっと置く          
               渡辺謙助

宿題 『釣』 渡辺謙助 選
天 
詫びているよな釣鐘草へ浮かぶ故郷の母の顔
               西山智華
地 
不釣り合いだと誰もが言った意地を通した共白髪
               佐藤孔亮
人 
釣れる釣れないどうでもよくて黙ったまんまの浮子を見る            
               助川浩史

席題 『字』 桂 文生 選
天 
名字の変わった手続き済んで景色も眩しいものになる
               鈴木秋霖
地 
写経三昧千巻遂げて正座静寂にシシオドシ
               印牧小ばん
人 
字余り字足らず思いが走るひらめき静かに一呼吸
               渡辺とみ子

平成30年しぐれ3月歌会三才作品

平成30年3月歌会3/23(金)東上野区民館3階和室

宿題 『参』 佐藤俊亮 選
天 
春だし閑だし一杯呑める大きく参加に丸をする
              末松章子
地 
普段着姿の一番隅の母をふり向く参観日
              末松章子
人 
話したいことたくさんあって二分の桜と墓参り    
              本間 愛

宿題 『乾』 安藤紀楽 選
天 
平成名残りの桜もいいね乾通りの春うらら         
              佐藤孔亮
地 
乾いた大地に芽吹いた緑三陸あの日の春が来る        
              長谷川宗太郎
人 
ため息まじりに乾かすネイル終わりにしようかこんな恋
              小川野 蛙

宿題 『子』 久米ひろ子 選
天 
思いはあの子に届かぬまんま受話器に無言がぶら下がる             
               嶋本遊幾
地 
子には子の夢見させてあげる立派過ぎない親でいい         
               黒沢きみ子
人 
親子代々下町育ち義理と人情と痩せ我慢          
               髙橋 賢

宿題 『女』 小野桂之介 選
天 
女に負けない色気を出して女形に男の影がない
               森崎清三
地 
胸のふくらみ薄着で見せて春が揺れてるネックレス
               長谷川宗太郎
人 
夢の続きがも一度見たいこんなに逢いたいひとの影            
               嶋本遊幾

席題 『春一切』 吉住義之助 選
天 
花を眺めて待ってる駅に野暮な電車がやって来る
               佐藤孔亮
地 
祈願押し退け御礼の絵馬がお宮に嬉しくぶら下がる
               関口のぎり
人 
印半天背中が跳ねて桜を縫ってく人力車
               末松章子

平成30年2月しぐれ三才作品

平成30年2月歌会2/23(金)東上野区民館3階和室

宿題 『冬』 佐藤孔亮 選
天 
春の妖精カタクリ咲いて冬を静かに押し上げる
              小宮昭子
地 
雪しか着るものなんにもなくて小便小僧のすっ裸
              稲葉建正
人 
テールランプが小さくなってこれからあなたのいない冬    
              西山智華

宿題 『梅』 印牧小ばん 選
天 
春へ乗り込む常磐線は梅の見頃の臨時駅         
              末松章子
地 
引退勧告冬将軍に出して一輪開く梅        
              阿部 勲
人 
少し膨らむ蕾の梅が歌い始める早春譜
              島田駱舟

宿題 『機』 大橋仙太郎 選
天 
機転効かせてその場を外す二人見守る母の芸             
               本埜媚薬
地 
ママゴト遊びの子供の口で我が家の機密が洩れている         
               長谷川宗太郎
人 
いつか会おうの機会はないと会えない会いたい会いにゆく          
               西谷笑子

宿題 『誤』 森 健二 選
天 
歴史に答を尋ねてみたい日本が大きな岐路に立つ
               末松章子
地 
ママへの抗議は筆圧強く誤字まで大きく怒ってる
               澤渡延代
人 
灯り消えない研究室に試行錯誤の海がある            
               島田駱舟

席題 『林』 鈴木秋霖 選
天 
林道抜けたら小さな滝へズームアップにするカメラ
               黒沢きみ子
地 
何も言わずに別れたあの日青い林檎の味がする
               大橋仙太郎
人 
茨城訛りに囲まれながら香りを縫ってく梅林
               末松章子

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