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2018年しぐれ九月歌会三才作品

平成30年9月歌会9/28(金)東上野区民館3階和室

宿題 『毛』 鈴木秋霖 選
天 
こっちへ来る気は毛頭なくてコスモス揺れてる母の庭
              末松章子
地 
痩せた毛蟹と格闘させて格安ツアーは安くない
              阿部 勲
人 
両手広げて毛糸が回る祖母に教わる数え歌   
              小川野蛙

宿題 『違』 佐藤俊亮 選
天 
いつもの景色が違って見えたあの日の写真へ焦がす胸         
              嶋本遊幾
地 
空が昨日と違って見えた秋もブーツも下ろし立て        
              末松章子
人 
些細な間違い見逃すようになって秋空広くなる
              篠田みや

宿題 『路』 落合正子 選
天 
揺れる線路の連続音も耳が覚えている故郷             
               小川野蛙
地 
前も後ろもそっくり秋の路肩駐車で撮る紅葉         
               佐藤孔亮
人 
お呼びじゃないのに台風進路一つ目小僧がとんでくる          
               稲葉建正

宿題 『雲』 大橋仙太郎 選
天 
酔うて候ひとりの夜道月に邪魔する雲もない
               鈴木秋霖
地 
雲の高さへ吸われる心愚痴など忘れる秋の空
               長谷川宗太郎
人 
ジョークの答えも理路整然で秀才モテない訳がある            
               阿部 勲

席題 『膝』 吉住義之助 選
天 
膝で甘えたあの日は遠く母に会う日の墓参り
               大橋仙太郎
地 
妻も膝までまくったズボン足湯へ広げる五本指
               末松章子
人 
膝打ち腑に落ちその手もあるか野暮な理屈の裏返し
                印牧小ばん
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平成30年しぐれ七月歌会三才作品

平成30年7月歌会7/27(金)東上野区民館3階和室

宿題 『鍵』 安藤陽子 選
天 
女子会飲み会心の鍵を開けて愉快な夜がふける
              三遊亭小金馬
地 
どこかに落とした出世の鍵を拾ったあいつが返さない
              志村まさ尋
人 
鍵を掛けたら見えんじゃないか開けて話せよ胸の内   
              森 健二

宿題 『季』 阿部 勲 選
天 
大袈裟ぐらいに相槌打って夫婦の会話は年季入り         
              末松章子
地 
ぼくの暮らした季節も詰めてふるさと発つ日の段ボール        
              嶋本遊幾
人 
熱で膨張していく夏が四季へケンカを売っている
              志村まさ尋

宿題 『強』 佐藤潤子 選
天 
空が青くて勉強なんかしないもうすぐ夏休み             
               篠田みや
地 
強い日差しと世間の噂避ける日傘に降り注ぐ         
               鈴木秋霖
人 
予算削った強行軍へ足を引きずるバスツアー          
               山口絵日傘

宿題 『折』 長谷川宗太郎 選
天 
小さく小さく折りたたんでも消えない心の古い傷
               安藤陽子
地 
逢えた折にはあれからこっち聞いてやりたい細い肩
               西山智華
人 
折り鶴折ってる小さな指が世界平和を祈ってる            
               州戸行々子

席題 『理』 佐藤孔亮 選
天 
打てば会話も鋏も止まる巨人が勝ってる理髪店
               末松章子
地 
理屈で説明できないけれどよせと言ってる腹の虫
               相原あやめ
人 
不義理の重さを心に抱いて会わなきゃならない用がある
                鈴木秋霖

しぐれ六月歌会三才作品

平成30年6月歌会6/22(金)東上野区民館3階和室

宿題 『露』 吉住義之助 選
天 
今年の一鉢団十郎に決めて薄むらさきの露
              末松章子
地 
虹の欠片を見かけた垣根も一度如雨露の首を振る
              後藤園生
人 
露天風呂から見る夕焼けが今日をいい日で締めくくる   
              嶋本遊幾

宿題 『悪』 西山智華 選
天 
コハゼ五枚目ぎりぎり締めて悪い女が出来上がる         
              佐藤孔亮
地 
手配写真は選んだらしいいかにもやったの顔にする        
              島田駱舟
人 
素敵な悪さを企むほどに君のえくぼが深くなる
              大島歌織

宿題 『怒』 西谷笑子 選
天 
次に逢う日の約束くれてふくれた頬っぺを黙らせる             
               西山智華
地 
無言で受け取る弁当箱の妻の怒りを食っている         
               末松章子
人 
怒り心頭おつむの湯気が少ない髪の毛立ち上げる          
               大橋仙太郎

宿題 『活』 萩原正臣 選
天 
利発活発子どもの頃の私を探した通信簿
               末松章子
地 
梅雨を押しのけ割り込む晴れ間団地活き活きシーツ舞う
               大橋仙太郎
人 
葉書き一枚次いでに野菜過疎の生活に郵便屋            
               桂  文生

席題 『富』 嶋本遊幾 選
天 
富も名誉も悩みも憂さも吸い込む今夜の大宇宙
               渡辺謙助
地 
コロッケ一つの食卓だけど愛は山盛りてんこ盛り
               相原あやめ
人 
二人の想いの一足す一が三にも四にもなる至福
                西山智華

しぐれ五月歌会三才作品

平成30年5月歌会5/25(金)東上野区民館3階和室

宿題 『港』 末松章子 選
天 
離陸の瞬間空港消えて体をこころが抜けて行く
              篠田みや
地 
競りの金目がまるまる太り下田港に夏が来る
              小野桂之介
人 
ペットフードを食べない猫は港仕込みの舌を持つ    
              佐藤潤子

宿題 『事』 島田駱舟 選
天 
誤解曲解解かずにおこうだって事実はなお悪い         
              後藤園生
地 
砂が体にザラザラ落ちたあなたの訃報の長い記事        
              篠田みや
人 
後生大事にしたプライドを新入社員が鼻で吹く
              志村まさ尋

宿題 『爪』 黒沢きみ子 選
天 
露天の湯煙手招く旅の心とろかす差し向い             
               西山智華
地 
ふり向くあなたに笑顔が見えて小さな悩みが煙になる         
               稲葉建正
人 
地獄極楽別府の坂は上れば煙も立ち上る          
               佐藤孔亮

宿題 『所』 関口のぎり 選
天 
子らも混じって近所の掃除良い日始まる街の風
               大橋仙太郎
地 
こんな所に段差があってわたしをつまずき易くする
               森崎清三
人 
どこか返事も斜めになる日虫の居所置き処            
               鈴木秋霖

席題 『半』 鈴木秋霖 選
天 
半分以上はいつもの愚痴でお袋まずまず元気そう
               末松章子
地 
花も盛りの景色となって初夏へ半襟掛け替える
               西山智華
人 
中途半端な半生だった中途半端に振り返る
               葉山湘風

平成30年4月しぐれ三才作品

平成30年4月歌会4/27(金)東上野区民館3階和室

宿題 『猫』 落合正子 選
天 
それでもタンポポそれでもスミレ猫の額の庭に咲く
              佐藤孔亮
地 
何があったかわかったらしい猫が黙って膝に乗る
              篠田みや
人 
タマも恋には一兵卒で傷の勲章下げてくる    
              稲葉建正

宿題 『図』 小野竹裏 選
天 
地図に消したい国境線があって二人が握手する         
              佐藤孔亮
地 
愚図な桜もたまにはあってズレてほのぼの咲いている        
              相原あやめ
人 
指図も合図も要らない仲になって茶の間にある阿吽
              阿部 勲

宿題 『爪』 志村まさ尋 選
天 
愚痴も小言も背中で受けて爪をいびつに切りおわる             
               鈴木秋霖
地 
何も無い日の何にもなさへ爪は黙ってのびている         
               阿部 勲
人 
爪先立ちでも届かぬ棚へ薄めの内緒をそっと置く          
               渡辺謙助

宿題 『釣』 渡辺謙助 選
天 
詫びているよな釣鐘草へ浮かぶ故郷の母の顔
               西山智華
地 
不釣り合いだと誰もが言った意地を通した共白髪
               佐藤孔亮
人 
釣れる釣れないどうでもよくて黙ったまんまの浮子を見る            
               助川浩史

席題 『字』 桂 文生 選
天 
名字の変わった手続き済んで景色も眩しいものになる
               鈴木秋霖
地 
写経三昧千巻遂げて正座静寂にシシオドシ
               印牧小ばん
人 
字余り字足らず思いが走るひらめき静かに一呼吸
               渡辺とみ子

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