FC2ブログ

都々逸鑑賞(その一)

 改めて説明すると、都々逸は七・七・七・五のリズムで詠む短詩で、そのリズムは初句の七「三・四」(もしくは四・四)、二句の七が「四・三」(同二・五)、三句の七は「三・四」(同四・四)で、五が止めとなります。

 しぐれ歌会では、その月の課題ひとつに対してひとり3章までの作品を提出。そして、それを選者が【佳作】(約20作品)、【七秀】(7作品)、【五客】(5作品)、【三才】(「人」「地」「天」)とランク付けして選びます。出席および投吟(出席せず作品を郵送)者の作品およそ180作品の中から選ばれますから、180分の40弱とかなり狭き門になります。

 ここで、五月の歌会で三才、いわゆるベスト3に選ばれた作品をみてみましょう。まずはお題「三」から。

 「天」つけては外した三面鏡へ逢いにいく日のイヤリング(末松章子)
 デートでしょうか。イヤリングを「つけては外す」ところに楽しみにしながらも迷う、女性の胸のうちが見事に表現されています。

 「地」仕事の区切りの鋏を拭いて庭師の三時はただ無口(鈴木秋霖) 
午後三時。朝からの仕事を終えて一服する庭師。鋏を置いた職人の仕事ぶりはおそらくすばらしいものなのでしょう。「無口」にその心粋を感じます。

 「人」 下町情緒に飾りをつけて三社祭の街に酔う(安藤陽子) 
お祭りの夜は街が人が、お祭りの雰囲気に酔っていますよね。それが年に一度の三社祭ならなおさら。下町情緒の濃さを感じる作品となりました。

 いかがでしょうか。選者の好みもありますが、現代都々逸はこれまでの都々逸とは違い、心情をつづった作品がより好まれるようになりました。皆さんもいいな、と思う都々逸を学んで、時には作ってみてはいかがでしょうか。

  ◎投吟所 〒130-0036 東京都台東区松が谷3-8-8 しぐれ吟社 吉住義之助
  
  都々逸しぐれ吟社は昭和12年から続く、東京で唯一の都々逸の吟社です。
  
  吟社および都々逸についての詳細はHPをご参照ください。
   http://www007.upp.so-net.ne.jp/wakazo/shigure.html
スポンサーサイト



2015年第28回下町七夕まつり「都々逸飾り」

人の願いはカッパと同じ 平和な地球に暮らす夢    
                久米 ひろ子

良い点取れたと息急き切って 母にしらせる河童の子    
                豊  夏美

学校創立百年超えて 下町カッパのチョー元気      
                鈴木 節子

かっぱ伝説七夕まつり ゆれて踊って笹のかげ        
                長嶋 春義

夜間飛行の香りをのせて 願う短冊ゆく銀河         
                森本 晶子

かっぱが願えば織姫様の 姿見えるか天の川         
                村上 妙

笹のかげからカッパがのぞく笑顔あふれるかっぱ橋      
                藤田 裕哉

メールください織姫よりも かわいい女で待ってます     
                西山 智華

胡瓜大好き我が家の女房 よもや先祖は河童かな       
                岩田 信夫

今夜逢います銀河を越えて 年に一度の無言劇        
                大橋 仙太郎

下町情緒のかっぱのまつり 一度見たいな行きたいな     
                茂呂  琴

粋な計らい神様なさる 梅雨の晴間の天の川         
                小野 桂之介

短冊に願い書き出す齢でもなくて みんなの願いを見て歩く  
                松田 よこいち

今日もプールでがんばりました 夢で河童が褒めに来る    
                山本 二郎

にぎやかなカッパ通りを静かにさせて 三味と胡弓のおわら節 
                松田 歌子

六三四見通す商店街を 七夕飾りに触れて行く        
                坂本 柳慈

世界平和をマリヤに願う 星のかがやく天主堂        
                遠藤 千義

続く星空おわりはないと 一緒に歩いた帰り道        
                嶋本 未希

夢よ叶えと短冊吊し 星の王子と逢うはいつ         
                加藤 独善

カッパに会いたいおまつり見たい つくばのガマちゃん来ています 
                稲葉 建正

どんな悪態ついても我が子 幸せ願って星かざり       
                里中 弓

星がキラリと夜空を滑る 願いを沢山乗せながら       
                伊藤 香詩

星に願いをいつかはメダル 掴む下町ボブスレー       
                原  重樹

七夕飾りの私の願い 見られたくない見られたい       
                弘  二三夫

かっぱも笑顔で迎える街は どこもあったかいんだから  
                葉山 湘風

感じの好い店また行こうかな 目星つけてる星まつり  
                蛯原 清子

浴びてみたいなお星のシャワー どんなロマンに逢えるだろ  
                森  健二

遠いところにいるあの人へ きっと伝えてくれる星  
                大島 歌織

カッパが頭に胡瓜をのせて 四股を踏んでる夢相撲
                馬場 和人

宇宙旅行の夢まで積んで 衛星今夜も飛んでいる      
                長谷川 宗太郎

笹に願いの短冊揺れて あなたの名前も揺れている
                黒沢 きみ子

初めて貰った花マル下げて 七夕飾りがうれしそう
                安藤 紀樂

今日は七夕朝シャン弾む きっといい事あるだろう  
                山口 絵日傘

銀河鉄道直行便を スマホで調べてあるデート  
                渡辺  とみ子

去年の短冊平仮名ばかり 今年は漢字が入ってる
                萩原 正臣

浴衣にお靴がそろそろ眠い 眠れば重たい抱っこの子  
                澤渡  延代

いいこといっぱい出合いの道を 今年はかっぱともう一人  
                渡辺 謙助

五色の短冊それぞれ夢を 描いて小さな手が祈る  
                中島 和子

七夕飾りでにぎわう通り かっぱの姿がまた似合う
                林  ケン坊

オリンピックへ河童が目指す あちらこちらで水しぶき  
                村田 倫也

星に願いはまだ届かない 寄り道ばかりの配達夫  
                志村 まさ尋

お久しぶりねと七夕様が 懐かしい人連れてくる  
                洲 戸 行々子

スマホばかりを見ている二人 七夕飾りを見ていない  
                佐藤 俊亮

空から二人で祈っていてね 青い地球が続くこと
                篠田 みや

星の会話を毎晩きいて パラボラ宇宙語理解する
                阿部  勲

ビルの工事のクレーンの灯り 星になりたいかも知れぬ
                島田 駱舟

ひとり寂しい七夕さまへ 心ばかりの笹飾り  
                米多 吉吾郎

何かと物議の絶えない地球 近頃宇宙の鼻摘み  
                印牧 小ばん

夢がいっぱいある子が好きで いっぱい応援したくなる
                助川 浩史

頭のお皿になみなみ注いだ お酒を器用に飲む河童
                森崎 清三

かっぱ橋から伸ばした足は 手鍋ひとつの帰り道
                三遊亭 小金馬

パパやママより七夕さまが 叶えてくれそな願い事
                鈴木 秋霖

無数の願いに追っかけられて 長く尾を引く流れ星
                落合 正子

欲しいものなど忘れるひろさ 夜空へ流れた星ひとつ  
                嶋本 遊幾

年に一度の七夕さまに 五輪来る日の夢を呼ぶ
                桂  文 生

健さん文太も手を振る夜空 織姫脇見をして通る 
                末松 章子

ハヤブサ2号は苦しい旅路 会ったらよろしくお星様  
                上田 野出

今年も胡弓の音色に会える 余韻を抱いてかっぱ橋
                安藤 陽子

カッパステーキ大行列に それでも並んだいい匂い
                山崎 美津

国の行方を七夕様に 聞いてみる夜が長くなる
                佐藤 孔亮

星の流れに似た生きざまも 詩あり歌あり華もある
                西潟 賢一郎

かっぱのパテシエ「まれ」にも学びケーキがおいしい星の街
                吉住 義之助

                             (順不同)

“しぐれ”7月歌会ご案内

とき/平成27年7月24日(金)夕5時より
ところ/東上野区民館(東京都台東区東上野3-24-6)

かいひ/\1,500(ご投吟のみの方は\1,000)

※出席者はお題の5題(ご投吟のみの方は席題以外4題)に対し各3章、作品をお作りください。

宿題  「土」  桂 文生 謝選

     「喜」  島田駱舟 氏選

     「運」  佐藤潤子 氏選

     「上」  大橋仙太郎 氏選

席題  「師」  吉住義之助 謝選

  
◎投吟所 〒111-0036 東京都台東区松が谷3-8-8 しぐれ吟社 吉住義之助
  
  都々逸しぐれ吟社は昭和12年から続く、東京で唯一の都々逸の吟社です。
  
  吟社および都々逸についての詳細はHPをご参照ください。
   http://www007.upp.so-net.ne.jp/wakazo/shigure.html

★皆様のお越しを心よりお待ちしております。

平成27年5月しぐれ歌会三才作品

平成27年5月歌会5/22(金)東上野区民館3階和室

宿題『三』 嶋本遊幾 選
天 
つけては外した三面鏡へ逢いにいく日のイヤリング
              末松章子
地 
仕事の区切りの鋏を拭いて庭師の三時はただ無口
              鈴木秋霖
人 
下町情緒に飾りをつけて三社祭の街に酔う          
              安藤陽子

宿題『斜』 葉山湘風 選
天 
棚田は先祖の遺産を継いで斜面に豊かな米作り
              助川浩史
地 
吊革握って溜め息ついて都会へ斜めになったまま
              嶋本遊幾
人 
ご機嫌斜めはスポーツ欄を今日は読まないわけがある
              佐藤孔亮

宿題『送』 西山智華 選
天 
送りましょうのさわぎに乗って男に生まれた酒を飲む
               佐藤孔亮
地 
社務所へお神酒を届けておいて古老は祭りへ担がれる              
               稲葉建正
人 
贈ることばに送られながら校門ピースで振り返る
               鈴木秋霖

宿題『犬』 森 健二 選
天 
小さい諍い夫婦のそばに犬が悲しい顔で居る
               助川浩史
地 
拾った小犬にいい名がついて家族の笑顔を駆けまわる
               西山智華
人 
チワワがじゃれつく帰国の辞令無事な家族がみやげです             
               大橋仙太郎

席題『夜』 吉住義之助 選
天 
スタンド灯すと机が笑う夜が親しい友になる
               阿部 勲
地 
恋に幼い二人っきりの長く短い夜が更ける
               小野桂之介
人 
ノッポのマンション月夜に伸びてゆっくり歩いて消えていく
               早川若丸

Powered by FC2 Blog

Copyright © 都々逸しぐれ吟社 All Rights Reserved.